ノスタルジズム
【わるでっち】
始業式も近づいて、夏休みを満喫した子供達の駆け込みカット。
散々遊びまくった子供達は充実感が溢れてて、真っ黒焦げに日焼けしててなんかいい匂いがする。
僕の子供の頃は親も忙しかったし、どこにも連れてってもらえなかったな。遊びと言えば近所の空地で野球するか田んぼでゲンゴロウとるか…。それでもラジオ体操おわって朝ごはん食べたら日が落ちるまで遊んでた。
あの頃の日々が本当に楽しくて自分らしかったんだろうか、今でもその頃の夢をよくみる。
自分の育った場所は神岡の寺林というところ。
雇用促進住宅もあって子供の数はわりと多かった。川を挟んで西側と東側にわかれる。それぞれにナワバリのようなものがあって、僕は東側の大将だったから子分を引き連れて西側にメンコ狩りによくでかけたものだ。東側にも年上の番長みたいなのがいて、もちろん怖い存在だったけど、子分の手前そんな顔もできずボコボコにされた上にメンコも総取りされたりもした。
そんな時助けてくれるのが僕の兄で、当時はそんな狭い部落単位じやなくて、神岡そのものの番長みたいな存在だったから、取り返すなんてのはたやすかったんだろな。次の日には西の番長がメンコ持って謝りにきてくれた。
そんな小さな世界のお話。
それからの30年…物の進化で便利な世の中になったかもしれない。しかしインターネットもなければケータイもないこの時代のことが記憶の中になぜこんなに色鮮やかで鮮明に残っているんだろう…?
詳しい理由もわからないし、ただただ美化してるだけのことかもしれない。
でも確実に言えるのは、生きていたってこと。
自分の頭で考えて
自分の足で歩いて
暑い寒いを感じて
痛いも痒いも、甘いも苦いも
五感とか感情とかもっともっと研ぎ澄ましてつかってた。
だから色鮮やかに残っている。
歌も忘れず覚えてる。
ちいさなエピソードも覚えてる。
便利過ぎる世の中ではこんなふうに生きるのは難しいかもしれない。近い将来目をつむっても目的地に着ける時代がくる。五感を使わずして生きられる時代。そんな時代…なにが豊かなんだろう?って思ってしまう。
これ以上の便利さはいらない。もう一度あの子供の時生きた時代をいきたい。そんなこと真剣に考えている。
ノスタルジズム…。懐古主義。
そんな古いこと言ってるオヤジに僕はなりたい。
そんな居心地のいい場所…つくりたい。
【luci-oul】
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